ヘナで紫っぽく染まる人にその理由と対処法をお伝えします。
どうもこんにちは。
吹田市千里山で『天然ヘナ染めが得意な美容室マイフ』をやっています小牧健太です。
今日はお家でヘナ染めをしている人から質問があったので解説していきます。
ヘナ染めで紫っぽい染まり方をする場合の原因と対策。
おそらくこの疑問をお持ちの人は、ヘナの染まり方といえば〈オレンジかブラウン〉だと認識されていることでしょう。
しかし実はヘナ染めで“紫っぽく染まる”事も普通にあり得ますので、まずはご安心下さい。
そうなる理由としてはインディゴの発色が関係してきますので、今日はその辺を実際に当店のお客様にご協力いただいたので写真と共に解説していきますね。
因みに僕としては『紫っぽい染まり方』はむしろ他の人と被りにくいので、《オンリーワンな髪色》で良いんじゃないかなと思いますが気にされる方も居らっしゃるかと思いますので対処方法もお伝えします。
ヘナ染めで紫色っぽく染まる方の事例をご紹介。
まずはどのような状態の事を指しているのかわかりやすい事例で共有していきましょう。
今回ご協力頂いたお客様は白髪量も多く、一か月以内にヘナ染めを繰り返しされています。
仕上がりがコチラ
ヘナとインディゴを2:3で混ぜて施術しています。
こちらのお客様の場合、仕上がりよりも落ちてきた時の方が紫っぽさが特に強く現れます。(染めたてもよく見れば若干紫感が出ています、特に一枚目)
そして落ちてきて染める前の状態がコチラ
わかりますか?
写真では伝わりにくいかもしれませんが分かりやすい用に〇で囲みますのでアップにして見てくださいね。
これが【ヘナ染めをして紫っぽい色に染まった事例】です。
肉眼で見る方が紫感は強いので、実際にご自身の毛がこのように染まると少し戸惑うかもしれませんが、以外と客観視すると(こんなものか…)といった印象ではないでしょうか?
色の原因はヘナではない。
まずこの現象の結論、『何が紫色に発色しているのか』というとそれは”インディゴ”です。
ヘナ単体で染めていて紫になったという話は僕は聞いた事がありません。
「インディゴが紫色になる。」
(あれ?インディゴって青色じゃないの?)
と思った方も正解です。
このインディゴという植物は青色の色素を持っているので、ヘナ染めに使う場合はヘナと混ぜてブラウンを作ったりするのに多く使われています。
※ヘナのオレンジ色とインディゴのブルーが混ざってブラウンになります。
しかし、インディゴは発色が繊細なのでプロでも扱いが難しいハーブでもあります。
インディゴは色が変わるもの。
紫色になる原因要素がわかったところで次に「何故そうなるのか」を説明するのですが、それにはインディゴという植物の発色のメカニズムを説明するのが早いのでまとめてみました。
※1から順に変化していきます。
インディゴの色の変化
- インディカン:無色透明の葉っぱの状態に存在する色素。
- インドキシル:水が加わると生成される色素で同じく無色。
- インジコ:酸化されてブルーに変色した色素。
- インジルビン:インジコ生成の際にアルカリ性や高温条件で紫発色。
インディゴという植物は粉末状では色は付かず、水分が加わり空気に触れることで青色の色素ができてそれが髪に着色します。
上記の(4)を見てもらうと分かるようにインディゴの色素は、酸化途中に紫色に変化する可能性があるという事です。
そしてその酸化工程というのは染めてから48時間程度経過するまで続きますので、丸二日間程かけて色が出来上がっていく感覚です。
日常の行動が関係している?お家でできる事。
インジルビンという紫の色素に変化するには《アルカリ性や高温条件》と先程説明しましたが、具体的にそれらは”何なのか?”
それはズバリ日常における【シャンプーやトリートメント、ドライヤー】が可能性として挙げられます。
酸化途中に髪の毛がシャンプーなどでアルカリ性に傾いたり、ドライヤーを当てすぎたりして紫色に発色変化する事も十分ありえます。
なのでもし気にされるなら、洗浄力の低い弱酸性系のシャンプーを使ったり8割乾燥ぐらいに留めるようにするのも1つの手でしょう。
また元々※[塩基性/アルカリ性]のアミノ酸が多い髪質の方は紫になりやすい傾向にあります。
※(キシみが出やすい髪質)
紫っぽいのも素敵です。
ここまでヘナ染めで紫っぽっく染まる原因など解説してきましたが、日々ヘナ染めをしている美容師としては『紫だめですか?』といいうのが正直な所。
別に異常事態とかではないですし、自然の植物色素なので派手な紫になるわけでもない。
逆に紫って程よく使えば上品さが出せたりする色なので僕はそんなに気になりません。
しかもヘナ染めってただでさえ〈オレンジかブラウン〉と色の幅が少ないので、オンリーワンな髪色で素敵だと思います。
当店での対策をご紹介
染め方
お家でも気を付けてみたけどやっぱり気になる、、、といった人に当店でとる施術方法を3つご紹介します。
- 毛先は【ヘナのみ】を使う塗分け。
- 【ニュートラル】を混ぜる。
- 【ターメリック】を混ぜる。
まず最もおすすめする方法としては“根元をブラウン毛先をヘナのみの塗分け方法”です。
これは過去に詳しく解説記事にしていますのでそちらをご覧ください。
=参考記事=
▶ヘナ染めで色の変化をつける方法。【根元と毛先を塗り分ける】
次に【ニュートラルを混ぜる】方法。
ニュートラルとは無色のヘナと呼ばれるハーブで、主に混ぜて使う事で色を薄めたりトリートメントとして使ったりするものです。
これを混ぜる事によってインディゴの色素を少し抑える事ができます。
最後に【ターメリックを混ぜる】方法。
基本的に根元の新しく生えてきた部分より毛先の方が紫っぽさが出るので、紫の反対色となる黄色の色素を持ったターメリックを少量混ぜることによって中和を狙います。
しかしこれで紫色が無くなるわけではなくあくまで(気持ち程度)だという事をご理解の上施術しています。
洗髪方法
当店でヘナ施術をされたお客様には泡立つタイプのシャンプーは使っていません。
理由としてはヘナに含まれる成分が頭皮や毛髪の洗浄効果もあるので必要がないからです。
代わりにハーブの粉を使った“ハーブシャンプー”と泡立たない“クリームシャンプー”を使用します。
特に市販のシャンプーに含まれる洗浄成分は比較的強いものが多いので、インディゴの色素と反応してしまう可能性も否定できないでしょう。
お家のシャンプーを洗浄力の優しいハーブシャンプーやクリームシャンプーに変えてみるのも一つの方法ですよ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ヘナ染めで髪の毛が紫っぽく染まる原因と対処方法を解説してきましたが今回の手段も絶対的なものではありませんし、あくまで自然のハーブなので完全にコントロールはできません。
否定的になるのではなく、【自分だけの色として楽しんでみる事】をおすすめします。
〈いつも同じ色にはならない〉〈皆が同じ色にはならない〉でも髪やお肌には良い毛染めに初めは慣れないかもしれませんが、続けると髪質はどんどん変わっていきますよ。
解らない事などあればいつでもお気軽にお問合せ下さいね。
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